【書評,感想,要約】齋藤孝の知の整理力

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みなさんは、「知的な人」に憧れたことはありませんか?

「知識が豊富で話が面白い」「いつも助言が適切で課題解決の糸口になっている」という人は周りにいませんか。そういう人になろうとしても、なかなか難しいもの。

 

そもそも「知的である」とはどういう状態なのでしょうか?斎藤孝氏が本書で解明してくれることは、そういったことです。なんとなく「インプットとアウトプットがうまくいかない」と思う方にぴったりの書籍と言えます。

 

『斎藤孝の知の整理力』書評感想要約を書きました。

「齋藤孝の知の整理力」の要約

齋藤孝氏の経歴

著者の斎藤孝氏は、教育学者であり作家として著名です。東京大学法学部卒業、同大学大学院教育学研究科博士課程取得しており、現在は明治大学文学部教授を務めるなど、非常に幅広い分野に精通した方でまさに「知的な方」と言えるでしょう。

 

専門分野は身体論としており、日本語の言語能力やコミュニケーション能力、健康法を扱い、教育を多角的に捉えるような思想で活動されています。さらに読書法・情報活用法など、読書文化の必要性を絡めて論じた著作はビジネス界でも人気です。教育や文化などを常に多角的に文章にして世論に指示を得ています。

『知の整理力』の要約

本書は、いかに情報を貯め”アウトプット”につなげるかを書いたものです。その論は「知的な人」とは?というシンプルな問いに始まり、「問題解決能力の高さ」と「豊富な知識量」こそが「知的な人」を表すものであると展開します。

 

知的な人は「頭の整理の仕方」が違うという、単純でありつつも普段の生活では気づかない思考法が説明されます。膨大なデータをきちんと整理し、使えるようにするには何をすればいいのかという活動を「知的生産の技術」として、詳しく掘り下げています。

 

展開は大き分けて5つ。[アウトプット][整理1][整理2][強化][インプット]です。特に本書冒頭の[アウトプット]では本書の前提となる「知」についての解説があります。そこでは「言葉こそが知性である」とした上で、知性を生かすためには偉人の言葉を引用する力を養うべき、と続きます。

 

偉人の言葉を引用することは知性なのか?と思ってしまいますよね。ですが、引用力というのは言葉をきちんと理解し、自分の状況に当てはめて応用することです。つまり極めてシンプルな「言葉を深く理解するための方法」なのです。

 

著者は引用力は名言などだけではなく、身近な「音楽の歌詞」から引用しても同様の能力を鍛えられるとしています。そのように低いハードルから能力を伸ばして、「言葉が相手に伝わって、知識が価値をもつ瞬間」を体験することでアウトプット能力が上がっていくのです。

 

それぞれの項目で垣間見える、斎藤氏ならではの明快な視点。ほとんどが一般的な感覚に即したものですので、すぐにでも実践することができます。

「齋藤孝の知の整理力」の書評・感想

本書では、知識を得る方法だけでなく「知識を活用する方法が適切かどうか」も語られます。私にとってはこの点が非常に興味深かったのです。

 

現代は、SNSで処理しきれない大量の情報が手に入る時代です。得た知識をどのように活用するのかは本当に人それぞれであると言えます。しかし、あなたが得た知識はどのように活用されているのですか?知識をひけらかすようなことはしていないでしょうか。

 

斎藤氏は、「知性を持つ人の器」などにも言及します。知性は最も重要な時に、適切に使われなければいけないという論には非常に共感を覚えました。

 

知識を蓄えるのみで使い方を知らない人が多い、という警鐘にも聞こえます。この時代に知識をなにか生産的なことのために利用できている人がどのくらいいるのでしょうか。そのような疑問を持ちたくなる投げかけでした。

 

もちろん本文では様々な知の技術が語られますが、総じてこういった結論に帰着するのでは、と感じます。適切に多くの知識を手に入れ、必要なところで、必要な理由で使える。それこそが知的な生産だ。という結論ですね。

 

「たくさんの情報を仕入れているはずなのに使えない」「知的な人になりたいという漠然とした気持ちがある」と思う方には、必見の書です。この本で「知的な人とは?」という問いが整理されることは間違いないでしょう。

 

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