「マーケティングの勉強を始めて見たけど難しすぎる」「改めて学習しているが思うように進まない」
マーケティングを独学で学ぼうとする方は多いでしょう。それにも関わらず、「名著」と呼ばれる書籍では、どれも深く踏み込んだ内容になっておりなかなかうまく進められないのではないでしょうか。
そんなときは、「初めてのマーケティング一年生」のような初学者向けの本をお勧めします。独学でもストレスなく読み進められ、マーケティングの面白さに触れることができます。
今回は「初めてのマーケティング一年生」の書評、要約をお伝えします。
はじめてのマーケティング1年生の書評や感想!
この本は、2013年に刊行されました。新たな図書がどんどん発行されるビジネス書業界においては、少し前の書物に感じましたが、内容は非常にベーシックで、独学での勉強を始めたり、知識の再確認をするには最適な書でした。
この書の作者は宮崎哲也氏。大阪国際大学の教授で、マーケティングやビジネス関連の講義を担当しながら経済、経営関係の執筆・講演活動を行っている方です。主な著書に『フィリップ・コトラーの「マーケティング論」がよくわかる本(秀和システム)』、『新しい大衆「ロウアーミドル」はこうしてつかめ!格差社会を生き抜くマーケティング(PHP)』などがあります。
特に、コトラーのマーケティング論をかみ砕いて説明することを得意としており、著書ではマーケティングをよりわかりやすく説明されています。
本書も、表題の通りマーケティングについて書かれています。コトラーの『マーケティングマネジメント(コトラー&ケラー)』(丸善出版)を”マーケティングの教科書”とするならば、それをさらにわかりやすく編集したもので、私とっては、非常に平易な言葉や例を使って書かれているのが印象的でした。
やはりマーケティング論を独学で勉強するときに、初心者がぶつかる壁といえばその情報量ではないでしょうか。というのも、一つの事柄を様々な論点で語るような手法は、マーケティングという学問においてはよくある展開だからです。
この本は、そういった難しさを初学者が解消し、難なく読み進められるように書かれた本です。本書で負担の少ない入門を果たした後、著者の別の作品を読み進めるかコトラーの著作の解釈本に進むのが、テンポよく学習できるコツであると感じました。
はじめてのマーケティング1年生の要約
本書のポイントは展開の仕方にあります。大学一年生でも理解できる内容を目指しており、冒頭では大学一年生のマーケティング授業をシミュレーションしています。
本文に入ると章の合間にキャラクターが登場し、様々なケースを想定しながら進みます。このシナリオでは、社会人になったばかりの主人公が会社でマーケティングに関わることになり、マーケティングの課題とぶつかりながらベーシックな事柄を学んでいくものです。
マーケティングで勘違いしやすい項目
冒頭では、宮崎氏がマーケティングの初学者が陥りやすい間違いを指摘しています。マーケティングには専門用語が多用されますが、それによって本質的な解釈が曖昧になってしまうことについてです。
そういったマーケティングの知識の例として、「高品質・低価格は追及するな!」「お客の声は聞くな!」「ソーシャルメディアを宣伝に使うな!」をあげています。
本書ではそういった知識を中心に解説しています。例えばソーシャルメディアに関する問題では、トヨタがSNSを使ったキャンペーンの宣伝について取り上げられており、無差別的・自動的に宣伝メッセージを送ってしまったことから批判を浴びた事例が紹介されています。
その中で宮崎氏は、”ソーシャルメディアは諸刃の剣”とし、大きな批判を浴びる可能性がありつつも、爆発的な宣伝効果を生むこともできると、長所短所両面から語っています。
これらの説明では、一言では処理できないマーケティングの知識を、実際の事例でわかりやすく説明しています。こういった論理の明快には、私もつい「なるほど」と納得してしまいました。
このような展開ですので初学者以外にも、「ある程度マーケティング業界に関わりがあったものの、知識をもう一度確認したい」人にもお勧めできる内容です。
また短い時間で読み終えることができるため、忙しいビジネスマンの方も仕事の合間に勉強を進めることができるはずです。マーケティングの専門的な情報を、多くの人が簡単にアクセスできる本です。
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