「ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!」の書評,感想,要約まとめ!

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「闇金ウシジマくん」で、リアルに伝わってくる理由

皆さんは「闇金ウシジマくん」(真鍋昌平/小学館)を読んだことがありますか。私が手に取った巻では、真面目な登場人物がひたすら会社と顧客の問題に板挟みになり、闇金に手を出してしまうストーリーでした。誰にでも起こりうる状況が緻密に描かれていて、非常に息苦しくなったことを覚えています。

 

本書の著者ホリエモンこと堀江貴文氏は、この漫画の愛読者であることを明かした上で、漫画で登場する「奪られる方のヤツら」にならないための知恵と実践的な方法を学ぶ必要があるとしています。

 

ご存知のように、堀江氏は実業家として様々な形で脚光を浴びている人です。ライブドアの代表取締役を務めていた時から、尖った発言や世間が驚く選択をしてきました。プロ野球参入やニッポン放送の買収表明、総選挙立候補で次々と注目の的となる姿には、憧れる人もいたと思います。

 

06年に証券取引法違反の容疑で東京地検特捜部に逮捕されますが、13年に刑期終了。現在は自身が手がけるロケットエンジン開発を中心に、スマホアプリのプロデュースなど幅広く活躍しています。

 

「闇金ウシジマくん」と日本の様々なシーンを渡り歩いてきた「ホリエモン」のタッグ。これだけで「読んだ方がいいのではないか」と思う人も多いでしょう。

 

ウシジマくんvsホリエモン人生はカネじゃない」の書評や感想、要約!

この本はリアリティだけでなく、スピード感のある本です。冒頭から引き込まれる感触は、まさに時代の先駆けともなっている人の文章でしょう。

“小利口になるな、バカになれ。バカは最強!”

“真面目は危険。マインドセットにかかるな!”

“カネはただの紙切れ。手に入れるべきは信用!”

これらは帯に引用された文です。非常に尖った言葉たちです。本文に入ってからも切り込んだ文は続きます。本題に入る前に、これだけ突っ込んだ話を端的に展開していく様はさすが堀江氏といったところです。

リアル社会に目を向けても、そんな(奪られる)ヤツらはごろごろいる。現時点ではそうでなくても、近い将来、そうなる可能性が高い人も少なくない

繰り返すが、奪られるのはカネだけではない。あなたの時間であり、考え方であり、生き方そのものである。

 

本文の展開の途中では、「闇金ウシジマくん」の印象的なシーンが紹介されています。引用されているシーンには、あらすじの説明があり「闇金ウシジマくん」を読んだことのない人でも場面を把握できるようになっています。

 

子供向けでなく大人からも支持を得ている「闇金ウシジマくん」の絵は、数コマで自体の異常さを伝えるのに十分な説得力を持ち合わせています。私が本書の内容を鮮烈に記憶できたのは、この「引用シーン」と「堀江氏の文章」があったからでしょう。

 

鮮明な記憶のある事例

本書がリアリティーを増すのは、堀江氏が実際に起きた事件を引用していることにあります。

例えば芸能人の不倫事件や、倫理的に話題になった刑事事件なども実名で例に出されています。堀江氏の理論が、多くの読者に共感できる形で裏打ちされています。

 

本書の刊行は2016年9月。出版から1年以上経つものの、まだ記憶に新しい事例ばかりです。それどころか、時間が経ったことで「渦中の人」が世に出てきている事例もあります。当時の真相やその後の変化を本人の口から聞くたびに、堀江氏の論は言い得ていたんだなと感じます。

 

こういった生の情報を交えて切り込んだのが本書なのです。

解釈本も出版

現在は本書をベースに、イラストをつけてさらに読みやすくした解釈本も出ています。そちらは漫画の要素を含めてビジネス本をわかりやすく紹介する方式で、近年古典ビジネス書に新たな読者を作った方式でもあります。

 

そういった動きを通じて、堀江氏の「人生はカネじゃない!」論は大きな反響を呼んでいます。

きっかけを作った本書は、多くの世代・職業の人が理解できる内容であるとともに、読者の生活が確実に変化できるよう工夫されている最新の本であると言えます。

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