【書評・要約】ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA

ビジネス書

アメリカの軍事技術力を下支えしている研究機関で、今どんなプログラムが進行中なのか、あなたは知りたいと思いませんか?

 

今回ご紹介する『ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA』(アニー・ジェイコブセン著)のテーマは、世界でもっとも高度な最先端の科学技術研究が行われている場所、国防高等研究計画局〝DARPA(ダーパ)〟です。

 

最近では個人がドローンを使って空撮した動画をYouTubeなどにアップしています。このドローンですが、DARPAでは1960年代にはすでに開発が始まっていました。そして初めて軍事利用されたのは、2001年のアフガニスタンの戦場です。

 

DARPAは、公開された技術より10年も20年も先に進んでいると言われているそうです。これからどんな未来がわたしたちを待ち受けているのか。それを決めるのはDARPAかもしれません。

 

それでは、『ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA』の書評とともに、驚くべき内容について要約をぜひご覧ください。
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【書評】ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA

まず、『ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA』の書評です。本書は、調査報道ジャーナリストである著者・アニー・ジェイコブセンが謎のベールに包まれたアメリカの最高軍事研究機関に迫った大著です。

 

DARPAは国防総省(ペンタゴン)の頭脳と言われることもあり、1958年に創設されて以来、インターネットや全地球測位システム(GPS)など、産業や公衆衛生、災害救助などの分野において役立つ多くの技術を開発してきました。しかし、わたしたちの生活に多大な貢献をしてきた一方で、DARPAが携わった最先端の科学技術は軍事技術にも転用され、決して小さいとは言えない傷跡を世界に残してきたのも確かです。

 

1954年に行われた悪魔の実験、熱核(水素)爆弾〝ブラヴォー〟は、その危険水域からわずか24kmの場所で操業中だった第五福竜丸を巻き込みました。その水爆の恐ろしさはアメリカ国内でも認識されており、反対派もいました。ところが、原爆実験に成功したソ連に対抗するために水爆の突貫生産が進められたのです。

 

また、1957年にソ連が人工衛星スプートニク号の打ち上げに成功すると、そのニュースはアメリカ人を震撼させました。なぜなら、スプートニク号が大陸間弾道ミサイル(ICBM)によって打ち上げられていたからです。そのICBMに核爆弾でもつけてソ連がアメリカを狙うのではないかと考え、パニックに陥ったのです。

 

この事態を受けて、DARPAの前身である高等研究計画局〝ARPA〟が創設されるに至ります。そのビジョンは、人工衛星と宇宙に関する研究開発だけでなく、未来の兵器システムに必要となるであろう技術に前もって取り組むことでした。要するに、戦場でその技術が必要になってからでは遅くて、必要になる前に開発しておくべきだという姿勢なのです。

 

このような終わりの見えない科学技術の追求は、わたしたちの未来をどこに導くのでしょうか。導かれた先の未来は望ましいものでしょうか。世界に大きな影響を与えるアメリカの軍事科学機関で今何が行われているのか。わたしたちはそれを知っておくべきではないでしょうか。

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【要約】ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA

最後に『ペンタゴンの頭脳 世界を動かす軍事科学機関DARPA』の内容を要約してご紹介します。

 

本書の前半では、史上最悪と言われる被爆事故を引き起こした水爆実験、冷戦時代、ベトナム戦争における科学技術のフロンティアへのさまざまな挑戦が解説されています。ベトナム戦争において、小柄なベトナム兵に持たせるために開発されたAR-15半自動ライフルは、その後改造されて現在でもアメリカ兵が使用しています。ベトナム戦争では現代にも活用される技術が多く開発されました。

 

後半部分では、さらに進化した研究開発の中身が書かれています。たとえば、最長7日間ほとんど眠らない「不眠不休兵士」の開発プログラムや外部からのコントロールを必要とせず、提示された標的を殺害したら自動的に戻ってくる自律型ドローンの開発話などです。

 

DARPAはすでに遠隔操作が可能な動物と機械のバイオハイブリッドを作り出すことに成功しています。次の段階は、人間と機械のハイブリッドであるサイボーグです。まるでSF映画のような話がアメリカの軍事科学機関で実際に実現しているのです。わたしたちの未来に関わるこのゆゆしき事態をぜひ本書で確認してください。

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