「本当の大人になるための心理学」で心理学を勉強してみた【書評,感想,要約】

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みなさんは、「生きづらさ」を抱えていないでしょうか?

 

 

本書は「本当の大人になるための心理学」という、含蓄に富むタイトルではありますが、著者の諸富氏は「生きづらさを抱え

て成熟しきれない大人」に焦点を当てて、その助けとなるような考え方を提案しています。

 

 

私は本書を通じて、「大人×心理学」の関係性を勉強できました。これはぜひ「生きづらい」と思っている方に手に取ってもらいたい本です。

「本当の大人になるための心理学」の書評,感想,要約についてまとめてみました。
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「本当の大人になるための心理学」の書評・感想

「キレる大人」を心理学で読み取る

現代の東京では、他人に無関心なことが当たり前です。

 

 

毎日の通勤電車や街中では一触即発が当たり前、いかに他人と関わらないように生きるかが問われているような時代です。

電車が20秒ダイヤとずれただけで(様々な事情があるとはいえ)、世に謝罪しなければいけない時代ですから、小さなトラブルが折衝を招くことは不思議ではありません。

 

 

著者は、こういった風潮は「世の中の便利さ」が生んだものであるとしています。

何もかも便利すぎる世の中で、多くの人が怒りを感じやすくなっているというのです。

 

 

ということは、現代の多くの人が「キレる大人」の予備軍なのではないのでしょうか。

レベルの差こそあれ、誰もがスマホを使う時代。

少なからず便利さに「我慢」を奪われているのでしょう。

実は私たちは、「キレる大人」に嫌悪感を抱きつつも、自分こそ「トラブルを起こしかねない人物」であることに気づいていないのかもしれません。

 

 

諸富氏は本作を「中高年がより満たされた人生を送るため」の内容としていますが、私には「社会の変化に警鐘を鳴らす」部分が目立っていたように感じました。

現代人を心理学的に分析することで、見えてくるのは「私たちは今後どうなっていくのか」という問題です。

 

 

諸富氏の論は、なるべくオブラートに包まず「事実を事実として伝える鋭さ」があります。

私たちは時代の変化に流されないためにも、鋭い人間観察論に触れるべきなのではないでしょうか。

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「本当の大人になるための心理学」の要約

「なぜ大人になっても不安が消えないのか?心を深く満たして日々を生きる方法」と銘打たれた本書は、大人が成熟しきらず「満たされた人生」を送ることが難しい時代にクローズアップした本です。

 

 

日本社会で形式的に「若々しくあること」が良いとされていることを理由に、中高年世代が人格的成長ができないことが多くの人にとって問題であるといいます。

 

 

この本は「大人が大人になるのがとても難しい」というシンプルな命題に始まります。

その言葉は抽象的に見えますが、現代の真理をついており、この本の方向性が現れているとも言えるでしょう。

 

 

精神分析や心理学に基づいて世相を考える章から始まり、筆者の人生経験やカウンセリング体験を交えてスピード感のある論が展開していきます。

 

世の中の利便化にともなって人が我慢を知らなくなり、その流れがさらに完璧主義を助長させたという流れで現代を言い表していきます。

 

 

本当の意味で大人になるための要素が詰まった書籍です。

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諸富祥彦氏の経歴

諸富祥彦(もろとみよしひこ)氏は、心理学者であり明治大学文学部の教授を務める多彩な方です。

専門にしているのはカウンセリング心理学、心理学、臨床心理学、学校カウンセリングなど、心と人間関係などを主に取り扱う分野です。日本カウンセリング学会常任理事を務めるなどその道に深く精通した方と言えます。

 

 

数々の論文を発表し、国内外から高い評価を得られています。

そんな諸富氏の著作は多数あり、『人生を半分諦めて生きる』『悩み抜く意味』(幻冬社新書) など、心理学やカウンセリングをもっと身近なものにするという意図のものが多数あります。

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